【 台北駐日經濟文化代表處札幌分處 】
2024年11月第4週TOPICS
【蔡英文前総統、カナダの国際安保フォーラムで講演 各国の台湾への支持に感謝-政治-】
(ハリファックス中央社)蔡英文(さいえいぶん)前総統は23日、カナダ東部ハリファックスで開催中の「ハリファックス国際安全保障フォーラム」で講演した。フォーラム主催者や国際社会の長期にわたる台湾への支持に感謝を伝えた他、来年2月に同フォーラムが台湾でイベントを開催すると明かした。
総統在任中の2021年に同フォーラムから「ジョン・マケイン公共サービス・リーダーシップ賞」を贈られた蔡氏は、受賞者として今回の講演を行った。
蔡氏は、国際社会が多くの不確定要素に直面しており、国際協力を推進して衝突の解決策を探り出すことが非常に重要だと指摘。この目標を達成するために、民主主義国家がさらなる協力を行い、より集中化している全体主義的な政権に立ち向かう必要があると語った。
蔡氏はフォーラムの期間中に、カナダや英国、ドイツの国会議員とも会談した。:2024年11月24日
【台湾、男子野球世界ランキングで単独2位に 日本との差縮める芸能スポーツ-】
(台北中央社)世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が27日に公表した最新の男子野球世界ランキングで、台湾は2位になった。9月18日に公表された前回のランキングでは、メキシコと並んで2位タイだった。今月行われたプレミア12の優勝でポイントを稼ぎ、1位の日本との差を縮めた。
ランキングは過去4年間のユース世代を含む各国際大会の成績をポイント化して算出される。9月時点では1位の日本が5756点、2位の台湾とメキシコが4118点で1638点差だったが、台湾が優勝、日本が準優勝したプレミア12を経て、台湾と日本の点差は1368点に縮まった。
12位までの国・地域と得点は以下の通り。日本(6866点)▽台湾(5498点)▽ベネズエラ(4846点)▽メキシコ(4729点)▽米国(4691点)▽韓国(4487点)▽オランダ(3949点)▽パナマ(3394点)▽プエルトリコ(3340点)▽キューバ(3096点)▽ドミニカ共和国(2745点)▽オーストラリア(2476点)。:2024年11月28日
【TSMC、高雄に建設の2ナノ工場に装置搬入 来年上半期にも試験生産開始へ/台湾–経済-】
(台北中央社)半導体受託製造世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は26日、南部・高雄市に建設した回路線幅2ナノ(ナノは10億分の1)メートル品の生産工場で、装置搬入式典を行った。式典は外部には公開されなかった。来年上半期にも試験生産が開始される見通し。
同工場は同社が高雄に建設する初のウエハー工場。台湾南部での拠点がさらに拡大されることになる。
同社は2ナノ品の量産を来年開始する予定で、高雄の他、北部・新竹県宝山にも二つの2ナノ工場を建設している。新竹宝山第1工場は今年4月に装置の搬入を済ませ、来年量産を開始する。宝山第2工場と高雄工場は2026年に量産開始予定。
市議会で取材に応じた陳其邁(ちんきまい)高雄市長は同日、当初の予定では来年半ばに装置搬入、年末に量産開始とされていたとした上で、半導体先端プロセスに対する世界の需要の高まりを背景に、TSMCは装置搬入を前倒ししたと説明。今後、高雄で第5工場までの建設が計画されていることに触れ、市としてTSMCが高雄での投資を順調に行えるよう支援していく姿勢を示した。:2024年11月26日
【台湾の林郁婷、ボクシングの世界大会を棄権 性別に懐疑的な主催者に抗議-政治-】
(台北中央社)パリ五輪ボクシング女子の金メダリスト、林郁婷選手が、英国で26日に開幕する世界大会「ワールド・ボクシングカップ・ファイナル」への出場を棄権した。主催するワールドボクシング(WB)が、林選手の性別に懐疑的な立場を取り、林側が抗議したため。卓栄泰(たくえいたい)行政院長(首相)は27日、非常に遺憾であるが尊重するとし、今後は大会出場に関する全ての権利確保に努力すると述べた。
この日、台北市の内政部警政署(警察庁)刑事警察局で開かれた記者会見出席前に報道陣の取材に応じた卓院長は、教育部(教育省)体育署は林選手の今大会出場を非常に重視しており、英国に渡航した林選手には体育署副署長が同行していたと説明。その上で、WBは新設の団体で、機密を守るメカニズムが明確でなく、選手側が提出した情報があるべき保護を受けられていないと指摘する体育署の報告を伝えた。
また林選手のコーチは選手の医療情報を守り、不要な議論を避けるため、出場の棄権を決めたとし、体育署も尊重したと語った。
体育署の鄭世忠(ていせいちゅう)署長は同日、報道資料を通じ、林選手は現地で医学的な検査を受けることに同意したが、WB側に受け入れられなかったと主張。林選手が二次被害を受けないためにも、コーチ陣が協議の上、棄権を決めたとした。
また今後中華民国ボクシング協会医療委員会の医師に、弁護士同伴の下でWB側と協議してもらいたいとし、WBの内部統制に関するガイドラインの策定を支援し、選手の大会出場の権利を保障できることを望むと期待を寄せた。:2024年11月27日
【130億円相当の薬物密輸で男逮捕 台湾・高雄 若者の乱用広がる「エトミデート」–社会-】
(高雄中央社)大麻やコカインと同等の2級薬物に指定されている麻酔薬「エトミデート」135キロを密輸した男が、10月に南部・高雄市内で逮捕されたことが分かった。末端価格は最低でも27億台湾元(約126億円)相当に上る。台湾では若者の間でエトミデートの乱用が広がり、今年に入ってから社会問題となっている。
内政部警政署(警察庁)保安警察第3総隊が27日に開いた会見で発表した。警察が10月初頭、高雄国際空港に到着した「化学品」として輸入申請された貨物について、事前申告の重量が途中で大きく修正されていたため、疑わしいと判断。地検が指揮するプロジェクトチームが捜査したところ、ドラム容器の底にエトミデートが27袋に分けて隠されているのを発見した。同月11日、貨物の受取人の男が密輸の疑いがあるとして逮捕された。
検察や警察の調査によれば、男は今年5月に薬物運搬グループと接触。30万元(約140万円)の報酬と引き換えに薬物の受け取りや輸入通関手続きなどを請け負った。検察は悪質性が高いとして、懲役15年を求刑するとしている。
エトミデートを巡っては、違法業者が電子たばこ用のリキッド(溶剤)に添加し、「合法代替大麻」をうたってクラブやSNSで若者らに販売。不適切に摂取すると手や全身の震え、立ちくらみ、永久的な神経損傷などを引き起こし、最悪の場合は呼吸停止で死に至る。エトミデートを使用したとみられる人が運転する車に衝突された警察官が死亡する事件も複数発生している。
行政院(内閣)は8月、エトミデートを製造や輸送、販売、5グラム以上の所持などを禁じる「3級薬物」に指定。今月15日には禁止事項や刑期、罰金・過料などがより重い「2級薬物」に引き上げた。):2024年11月27日