外交部、今年の国連総会前に「国連総会2758号決議は台湾に言及せず」
第79回国連総会は10日にニューヨーク国連本部で開幕し、24日から28日および30日に一般討論が開催される。外交部は3日、今年の国連総会に向けた台湾の取り組みについて説明する記者会見を開催。田中光政務次長（=副大臣）が以下のとおり詳細を説明した。
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今年の一般討論のテーマは「誰一人取り残さない－ 平和の促進、持続可能な開発、そして今日と将来世代の人間の尊厳のために共に行動を」である。
しかし皮肉なことに、台湾の2,350万人は依然として国連システムから取り残されている。この不当な扱いの主な理由は、中国が国連総会2758号決議の内容を悪意を持って曲解していることに起因する。中国は、中国の主張する「一つの中国」原則が、国際社会に受け入れられてるよう意図的に仕向け、台湾は中華人民共和国の一部分であり、国連システムにおいて中国が台湾を代表する権限を与えられているとする誤った主張を繰り返している。中国はさらに、中華民国（台湾）は主権国家であるとう客観的事実を法理上消滅させ、台湾の国連システムへの参加という正当な権利を抹殺している。
中国のこうした「認知戦」に対して、もしすみやかに反論して訂正しなければ、中華民国（台湾）と中華人民共和国は互いに隷属しないという台湾海峡の客観的現状が根底から覆されることになる。また、中国が台湾に対する武力行使の法的根拠を取得し、「国連憲章」がうたう国際平和と安全の維持という目的や紛争の平和的解決の原則に基づいて台湾を支援する国際社会の正当性が失われることにもなる。
したがって、今年の国連決議を推進する政府の主な任務は、国連総会2758号決議の内容を国際社会が正しく理解できるようにすることにある。具体的には、この決議は台湾について言及しておらず、台湾とは無関係なこと、中華人民共和国がこの決議を根拠に台湾は中国の一部分であり、ゆえに国連システムにおいて台湾を代表する権利を持つとする主張は根拠がないことなどを含む。
中華民国政府が訴える3つのポイントは次のおとり。
一、国連総会2758号決議の悪意ある曲解は、台湾海峡の現状とインド太平洋地域の平和と安定に深刻な脅威をもたらしている。国連はこれを直視し、積極的な行動をとるべきだ。
二、国連総会2758号決議は、台湾の国連システムへの参加を排除するものではない。国連は台湾の参加を受け入れるための適切な方法を模索し、「持続可能な開発目標（SDGs）」の実現のため台湾が貢献できるようにすべきだ。
三、国連事務局は中立性を厳格に遵守すべきである。国連は、国連総会2758号決議を誤って引用したり、台湾の人々やメディアから、国連の会議やイベントを訪問、出席、取材する権利を不当に奪ってはならない。
国連は全人類のものである。「国連憲章」には、国際社会で人々の平等な権利を発展させることが国連設立の目的の一つだと明記されている。しかし、国連は中国からの圧力に屈し続け、台湾の人々の参加という正当な権利を無視している。さらには、国連総会2758号決議に関する中国の恣意的な解釈にも付和している。国連が、台湾の参加を不当に排除するという誤った行動を合理化していることは極めて遺憾であり、外交部は強い不満を持っている。
国際参加という台湾の人々が持つ基本的人権を適切に守るため、中華民国政府は1993年から台湾の国連加盟を訴え続けている。しかし、中国の傲慢かつ不当な妨害に加え、国連が中国の圧力に盲目的に屈していることが原因で、台湾の国連加盟の訴えは多くの困難と課題に直面している。それでも中華民国政府は決して諦めず、今後も国際社会に理解を求める考えだ。
我々は改めて国連に呼びかける。台湾の全面的な参加を受け入れることによってのみ、国連は現在および将来の世代のために、平和で持続可能、人間の尊厳を尊重する美しい世界を創造することができるだろう。
Taiwan Today：２０２４年９月４日
写真提供：外交部
第79回国連総会が10日、ニューヨーク国連本部で開幕する。外交部の田中光政務次長（=副大臣）は3日、今年の国連総会に向けた台湾の取り組みについて説明する記者会見を開いた。
