第74回国連総会、国交樹立国3カ国が一般討論で台湾に言及
第74回国連総会の各国首脳による一般討論(9月24日から30日まで)がスタートした。一般討論2日目となった25日は、中華民国(台湾)の国交樹立国のうち4カ国が発言し、そのうちグアテマラ共和国、エスワティニ王国、パラオ共和国の3カ国が台湾の国連参加を支持する立場を表明した。なお、グアテマラ共和国が国連総会の一般討論で台湾支持を表明するのは3年ぶりのこと。グアテマラ共和国は個別あるいは連名でも国連事務総長宛てに台湾の国連参加を求める書簡を提出していないことから、今年の国連総会での発言は大きな意義を持つ。
一般討論で台湾に言及した3カ国のうち、エスワティニ王国とパラオ共和国は今月17日、他の国交樹立国9カ国との連名書簡を国連のアントニオ・グテーレス事務総長に提出し、国連システムへの台湾参加を認めるよう訴えている。グアテマラ共和国、エスワティニ王国、パラオ共和国の一般討論での発言の概要は以下のとおり。
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グアテマラ共和国のジミー・モラレス大統領
すべての国家、とりわけ民主主義と国連の原則を擁護する国は国連の一員になる権利を有する。我々は、中華民国(台湾)の経験と能力が、この組織とその専門機関の多国間主義を強化する助けになると信じている。
エスワティニ王国のムスワティ3世
我々がもし今後も、このような大きな国際組織の会議において、世界のある国がその能力を発揮する機会を奪い続けるとするならば、国連はこれからも「誰一人取り残さない(No one will be left behind)」という目標を実現できないだろう。国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を達成するために、台湾の役割が非常に重要だということを我々は強く信じている。
2015年9月25日の国連総会で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」(総会決議70/1)の序文(=「誰一人取り残さない(No one will be left behind)」の理念が掲げられている)に基づき、台湾を受け入れることは国連がその約束を果たすための重要な一歩となる。我々は、国連が普遍性の原則を守り、全面的包容力を持った多国間主義に邁進するための努力を続け、そして台湾が尊厳を持ち、平等な立場で関連の取り組みに参加できるよう再度求める。
パラオ共和国のトミー・レメンゲサウ大統領
国連は「誰一人取り残さない(No one will be left behind)」という理念通り、台湾及び台湾に住む2,300万の住民をそこから除外することを停止すべきだ。これは国連だけでなく、多国間主義の実現に重要な役割を果たしている国際組織、例えば世界保健機関(WHO)総会、国際民間航空機関(ICAO)、気候変動枠組条約(UNFCCC)にも言えることだ。
パラオは台湾との協力を通じて、台湾が国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を実現するために尽力していることを知っている。台湾が「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に平等な立場で、尊厳を持って参加することは、国際社会がこのアジェンダを実現する力を強化することにつながるはずだ。
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なお、25日に一般討論に参加した国交樹立国のうち、ホンジュラス共和国のアン・オルランド・エルナンデス・アルバラード大統領は台湾に言及しなかった。しかし、同国はすでにアントニオ・グテーレス事務総長宛てに個別の書簡を送り、台湾の国連参加を支持する立場を伝えている。
Taiwan Today:2019年9月26日
写真提供:国連サイトより
第74回国連総会の各国首脳による一般討論がスタートした。一般討論2日目となった25日は、中華民国(台湾)の国交樹立国のうちグアテマラ共和国、エスワティニ王国、パラオ共和国の3カ国が台湾の国連参加を支持する立場を表明した。写真左上はグアテマラ共和国のジミー・モラレス大統領、右上はパラオ共和国のトミー・レメンゲサウ大統領、右下はエスワティニ王国のムスワティ3世。