国連総会、さらに6か国の国家元首が台湾に言及
第73回国連総会では25日より、各国代表による一般討論演説(General Debate)が行われている。2日目の26日には4カ国の国家元首が、さらに3日目の27日には2カ国の国家元首が、一般討論演説で台湾に言及した。いずれも台湾と国交を持つ国々。
26日に行われた一般討論演説では、アフリカ唯一の国交樹立国であるエスワティニ王国(旧称:スワジランド王国)の国王ムスワティ3世(Mswati III)が、「台湾は持続可能な開発に関する重要な領域において豊富な経験を持つ。国連の業務や加盟国に極めて大きな貢献をするだろう。もし国連が、今年度の一般討論演説のテーマである『全ての人に関わりある国連をめざして:平和で公正な、かつ持続可能な社会のためのグローバル・リーダーシップと共通の責任』の精神に合致することを望むのなら、台湾の住民を排除すべきではないと我々は強く訴える」と述べた。
キリバス共和国のタネティ・マアマウ(Taneti Maamau)大統領は、「今後12カ月間の目標となるテーマ『全ての人に関わりある国連をめざして』は、この地球上に住むすべての人類に関わることだ。我々と同じ地球上に住み、このテーマのために貢献しながら、関連の枠組みから排除されている台湾の2,300万人の人々を、国連が今後も無視し続けるとするならば、このテーマはその意義を失うだろう」と指摘した。マアマウ大統領はさらに、「我々は同じ家族だ。それゆえ、包容力のあるやり方で台湾を国際社会に受け入れ、国連組織が関心を寄せる分野や持続可能な開発目標(SDGs)の実現において、台湾が貢献できるようにすべきだ」と訴えた。
ナウル共和国のバロン・ディヴァヴェシ・ワカ(Baron Divavesi Waqa)大統領は、台湾などの国々がナウルに支援を提供してくれていることに感謝し、すべての人に関わりある国連を目指すのであれば、台湾の人々を受け入れる必要があると指摘した。
パラオ共和国のトーマス・エサン・レメンゲサウ・ジュニア(Tommy Esang Remengesau, Jr.)大統領は、中華民国(台湾)はパラオにとって、持続可能な開発目標を実現するための長期的盟友であると指摘。この特殊な友好関係とパートナーシップは、パラオのインフラ建設に対する台湾の投資や、医療や教育分野における持続的な支援からも見て取ることができると説明した。レメンゲサウ大統領はさらに、「我々は、ICAO (国際民間航空機関)、WHO(世界保健機関)を含むすべての国連システムに台湾が受け入れられるよう、国連が解決策を見出すことを期待している。パラオ政府は、国連システムが台湾を受け入れることができれば、国連の関連の業務や、『持続可能な開発のための2030アジェンダ』にとって極めて大きなメリットがもたらされると強く信じている」と述べた。
3日目の27日には、ツバルのエネレ・ソセネ・ソポアンガ(Enele Sosene Sopoaga)首相が、「台湾はすでに、ツバルだけでなく世界各国にとっても責任ある、そして能力のあるパートナーとなっている。持続可能な開発を実現するために、台湾にしかるべき地位を与え、その能力を発揮させれば、台湾はより多くの貢献をすることができるだろう」と述べた。ソポアンガ首相はさらに、2019年8月にツバルで南太平洋フォーラム(PIF)首脳会議が開催されることになっており、台湾の政府がこの重要なイベントの開催に協力してくれていることに感謝した。また、ツバルは10月1日に独立40周年を迎えることになっており、ツバルの発展を長年支えてきた台湾を含む多くの国々に感謝すると述べた。
ソポアンガ首相は省エネと太陽光発電の発展について言及した際も、台湾、EU(欧州連合)、世界銀行などがツバルを支援してくれていることに感謝した。
また、セントビンセント・グレナディーン諸島のラルフ・ゴンザルベス(Ralph Gonsalves)首相は、「国連が台湾に住む2,300万人を無視し続けるとしても、台湾が国連の専門機関のために働く権利を奪う根拠はどこにもない」と指摘した。
Taiwan Today:2018年9月28日
写真提供:国連サイトより
第73回国連総会では各国の一般討論演説が行われている。2日目の26日には4カ国の国家元首が、さらに3日目の27日には2カ国の国家元首が台湾に言及した。いずれも台湾と国交を持つ国々。写真は左上から時計回りにエスワティニ王国の国王ムスワティ3世、キリバス共和国のタネティ・マアマウ大統領、ナウル共和国のバロン・ディヴァヴェシ・ワカ大統領、セントビンセント・グレナディーン諸島のラルフ・ゴンザルベス首相、ツバルのソポアンガ首相、パラオ共和国のレメンゲサウ大統領。