エスワティニ王国訪問の蔡総統、「手を取り合って協力し、永遠のパートナーシップを」
エスワティニ王国(旧名:スワジランド王国)を公式訪問中の蔡英文総統は19日午前(現地時間)、同国のMavusoトレードセンター競技場で、同国の建国50周年、並びに国王ムスワティ3世(KING MSWATI Ⅲ)生誕50年を祝う式典に出席して祝辞を述べた。なお、エスワティニ王国は旧スワジランド王国で、国王ムスワティ3世がこの式典の中で国名の変更を宣言した。蔡総統の祝辞は旧名の「スワジランド王国」を用いて行われた。
蔡英文総統によれば、スワジランド王国は1968年に独立した時から台湾との友情を築き始めた。国王ムスワティ3世の父親である前国王の故ソブーザ2世は当時、自国と同様に、強国に包囲された形のパートナーを東方に求めることを宣言。その後、故ソブーザ2世は、自国の人々と同じようにまじめで勤勉な人々が暮らし、スワジランドに対して最も誠実で、堅実なパートナーになろうとする国を見つけ出した。それが中華民国(台湾)であり、永遠に別れることのない友人だったのである。
蔡総統は、この縁はすでに50年以上続いており、共に大国の盛衰を目にしながら互いに助け合い、国際的な試練と苦難を乗り越えてきたとした上で、その間、両国の友情とパートナーシップは1度も揺らぐことなく、両国の国交も一時の思いつきや非現実的な考えに影響されなかったと説明した。そして蔡総統は、両国政府は国民に対して常に正しく、持続可能かつ最良の決定を行ってきたと強調、「両国の国交は時を経ることによっていっそう強まった」と述べた。
蔡総統は、故ソブーザ2世が残した知恵に満ちた言葉、「Anginasitsa」に言及した。これは、「スワジランドで敵に遭うことはない」という意味。蔡総統は、スワジランドは天然資源が豊富にあり、深みのある文化と伝統もしっかり残されている他、人々は賢く勤勉だと評価し、国王ムスワティ3世の指導力の下、これからもアフリカにおける成長と繁栄を代表する国であり続けるだろうと期待した。
蔡総統はまた、スワジランドが今後も発展を続けられるよう、力を尽くしてサポートしていく考えを表明、国王ムスワティ3世が掲げる2022年までの国家発展戦略の実現を全力で支えていくと強調した。そして蔡総統はスワジランドの人々に向けて、国王ムスワティ3世が全国民の生活水準を高められるよう、台湾は教育、医療、インフラ建設、農業などの各分野において、全力で協力していくことを理解してほしいと訴えた。蔡総統は、こうした協力をする理由は、スワジランドの発展によって台湾にも恩恵があると信じているからだと説明。そして台湾とスワジランドの関係を形容するのに最適な言葉として、中国語の「換帖」(義兄弟の契りを結ぶこと)を挙げ、台湾とスワジランドの間には、兄弟姉妹として永遠に助け合っていくという、生涯を通じた約束があるのだと述べた。
蔡総統は最後に、国王ムスワティ3世のリーダーシップの下、スワジランドは台湾にとって国際的な場での最も良い友人で、最も力強い支持者になっていると感謝、様々な国際組織が台湾の人々を排斥する中でも、スワジランドからは固い支持が得られることを我々は知っていると述べ、その支持の台湾に対する意義の大きさを強調した。
国王ムスワティ3世はあいさつの中で、蔡英文総統が代表団を率いて式典に参加してくれたことに感謝すると共に、両国の国交は固く、関係も良好であるとの見方を改めて表明。2022年までの国家発展戦略を進めていく中で、台湾が重要な役割を担っていくことに期待した。さらに国王ムスワティ3世は、国連に台湾の席がないことはあってはならないことだと強調、台湾を欠いては国連は完全なものにならないと訴え、台湾の国連及び国連専門機関などへの加入を引き続きサポートしていく立場を示した。
Taiwan Today:2018年4月20日
写真提供:総統府サイトより
エスワティニ王国を公式訪問中の蔡英文総統(写真右)は現地時間の19日午前、同国の建国50周年、並びに国王ムスワティ3世生誕50年を祝う式典に出席した。写真は祝辞を述べる蔡総統。蔡総統の後ろに赤い礼服姿で座っているのがエスワティニ王国の国王ムスワティ3世。