陳副総統、オーストロネシア語族国際会議に出席
陳建仁副総統は13日午前、2017年「オーストロネシア語族国際会議(International Austronesian Conference)」に出席し、中華民国政府を代表して、世界各国から集まった学者や専門家、先住民族に関する国際議題に関心を寄せる人々を歓迎した。陳副総統はまた、台湾とオーストロネシア語族の文化や言語には共通性があると指摘。今後も互いの理解を深め、台湾の先住民族と世界のオーストロネシア語族の国を越えた協力や結びつきを強化していきたいと述べた。
「オーストロネシア語族国際会議」の開催は今年で15回目を迎える。陳副総統は昨年、この会議に出席した際、「オーストロネシア語族と台湾が融合した『特殊な外交関係』の発展は、理論と実際の血縁関係、そして文化が基礎となる必要がある」と述べた。陳副総統のこの発言を踏まえ、今年の会議では、中華民国政府が推進する文化方面における「新南向政策」の実質的効果をさらに高めるため、原住民族委員会(日本の省レベルに相当)と文化部(日本の文部科学省に類似)が初めて協力。「文化資産与社群培力:台湾的南向連結(Cultural Heritage and Community Empowerment:Anthropological Perspectives Taiwan’s Southbound Connections)」をテーマに、13カ国から政府高官や学者、専門家らを招いた。
今年の会議は原住民族委員会と文化部の資源を統合させ、往年よりも幅広いテーマを設定した。13日に台湾北部・台北市で行われた会議では、オーストロネシア語族文化を出発点とし、先住民族の現況と展望について議論した。今月16日に台湾南東部・台東県で開催される会議では、人類学の観点から、異なる文化や時代の下、人と環境、人と人の相互関係がどのようなものであったかを議論し、理解を深める。また、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)に所属する米国籍の学者が、文化遺産の保存と管理について講演を行うことになっている。
陳副総統はあいさつの中で、簡単な単語を選び、台湾の先住民族とオーストロネシア語族との深い関係について説明した。台湾の先住民族の一つ、アミ族の人々は「目」のことを「Mata」と呼ぶ。「Mata」はブヌン族、カヴァラン族、サキザヤ族、ダウ族の言葉にもあり、いずれも「目」を意味する。一方、この「Mata」という言葉は、フィジー語、キリバス語、インドネシア語、マレー語、タガログ語(フィリピン)、マオリ語(ニュージーランド)、ハワイ語にもあり、いずれも「目」の意味で使われている。陳副総統は、「この言葉一つを取り上げても、海で遠く隔てられたオーストロネシアの国々は、例え数千年にわたる民族の移動や変化を経ても、容易に言語の共通性を探し出すことができるということを意味している」と指摘。また、「こうした言語の共通性は、まさにオーストロネシア語族共通の『目』となり、台湾の先住民族と世界のオーストロネシア語族が互いの文化の美しさを見つめ、共有するきかっけとなり、また我々に共通の美しい未来を見せてくれると信じている」と述べた。
台湾では今年5月、『原住民族語言発展法』が制定され、先住民族の言語に「国家言語」の地位が与えられた。中華民国政府は今後、国を挙げて資源を投入し、先住民族各言語の復興に努める。また、台湾南部・高雄市に国が管理する「原住民族博物館」を設置し、先住民族の貴重で優美な文物の数々を保存したいと考えている。
Taiwan Today:2017年11月14日
写真提供:中央社
陳建仁副総統は13日午前、2017年「オーストロネシア語族国際会議(International Austronesian Conference)」に出席し、中華民国政府を代表して、世界各国から集まった学者や専門家、先住民族に関する国際議題に関心を寄せる人々を歓迎した。