台湾人漫画家の左萱『芭蕉の芽』が第18回「日本国際漫画賞」優秀賞を受賞

　日本外務省が主催する第18回「日本国際漫画賞」の受賞者が2025年1月17日に発表され、台湾人漫画家の左萱さんによる『芭蕉の芽』第2巻が716作品の中から卓越した実力を発揮し、優秀賞を受賞した。左萱さんは『神之郷』上巻が第10回「日本国際漫画賞」で入賞して以来の再度の受賞となった。

　李逸洋・駐日代表は受賞した左萱さんに祝意を伝え、「日本国際漫画賞は2007年の創設以来、第2回より台湾人漫画家が受賞しており、17年間でのべ32回、台湾人漫画家が受賞を果たした。台日漫画交流の取り組みの成果が今後さらに花開くことと信じている」と述べた。

　また、李遠・文化部長（文化相）は、「台湾人漫画家が国際的な賞を何年も連続で受賞していることは、台湾漫画が国際マーケットにおいて光り輝く潜在力を有していることを証明している。2018年から2027年は『台湾漫画新時代』の鍵となる十年であり、政策のサポートと資源の投入を通じて、引き続き政府は漫画家と漫画産業を全力で支持し、今後も台湾漫画が国際舞台で異彩を放つように取り組んでいきたい」と述べた。

　駐日代表処台湾文化センターは近年、日本で台湾漫画を積極的にプロモーションしており、この5年間に「台湾漫画夜市展」、「『ありがとう日本』イラスト展」、「音とともに楽しむ台湾コミック展」、「漫画の絆台日色紙展」、「-BLOSSOM-台漫満開・百花繚乱―台湾漫画メディアミックス展」などの展示会を毎年開催した。また、台湾文化センターの年度計画パンフレットを台湾の漫画家、イラストレーターらに依頼して制作しており、初年度版のパンフレットのイラストは左萱さんによるもので、今後も台湾文化センターは引き続き、日本で台湾漫画のプロモーション活動を行い、市場を開拓することにより、台湾漫画ブームを生み出せるよう望んでいる。

　今回受賞した『芭蕉の芽』は、1930年代の台北高校（台湾師範大学の前身）で性格が異なる二人の生徒、葉星橋と南城雲太郎が出会い、学校誌の内容が形式的で硬すぎるとして、新しい雑誌『鐘之音』を創刊する物語。左萱さんによる綿密な史料考証ときめ細やかで独特な筆のタッチが、日本統治時代の台北高校の学園生活と青春の姿を描き出している。出版社の蓋亜文化も台湾漫画界をプロデュースする仕掛け人の一つであり、同出版社から刊行された作品は何年も連続で日本国際漫画賞を受賞している。

　第18回「日本国際漫画賞」は、95カ国・地域から過去最多となる716作品の応募があり、今回は最優秀賞1名、優秀賞3名、入賞11名の計15作品が選出された。授賞式は今年3月に予定されている。