APEC首脳会議出席の林信義総統府資政が現地で記者会見、日本の石破首相と会談も
ペルーの首都リマで開催されていたAPEC首脳会議が16日に閉幕した。頼清徳総統の代理として同会議に出席した総統府資政(顧問に相当)、台杉投資管理顧問公司(タイワニアキャピタル)董事長の林信義氏は同日午後、リマで記者会見を開催し、今回のAPEC首脳会議参加の詳細や成果について説明するとともに記者からの質問に答えた。なお、林信義氏はこの日の午後、日本の石破首相とも会談し、半導体やAI(人工知能)分野での連携について話し合った。
林信義氏は今回のAPECについて、加盟国が関心を寄せている議題はおおむね一致しており、地政学、世界情勢の変化、感染症、エネルギー、インフレーション、食料安全保障、サプライチェーンの強靭性、気候変動などによってもたらされる挑戦など、各加盟国がともに遭遇する状況について、いかに対応し、協力するかについて議論されたと説明した。また、経済発展の成果が各個人まで行きわたっていないことが指摘され、経済成長の格差をいかに解決するかも、各加盟国が関心を寄せていたことなどを明らかにした。
今回の代表団の重要な任務の一つに、台湾のAPECでの具体的な取り組みやその成果について各加盟国に理解してもらうことがあった。林信義氏はこれについて具体例を2つ挙げて説明した。そのうち一つは、食品ロスとウェイストを削減するため、台湾が2013年に食品ロス削減のための官民連携強化に関するプロジェクトを提唱したこと。これは多くの加盟国の支持を得た。もう一つは「2030年食料安全保障ロードマップ・アクションプラン」を主導する立場として、2025年下期に食品の貯蔵や包装などの技術開発を通じて、APEC加盟国、とくに発展途上国について、食品ロスと食品ウェイストを削減・予防する能力構築を高め、APEC域内の食料安全保障を強化する計画であることだ。
なお、林信義氏は16日午後、リマで日本の石破茂首相と会談を行った。双方は、基本的価値観を共有し、経済・貿易関係や人的往来も活発な重要なパートナーであることを確認したほか、台日関係を引き続き強化していくことでも一致した。林信義氏は石破首相に対して、台湾と日本の半導体産業分野での緊密な連携を歓迎するとともに、今後は第三国での市場の開拓や投資などについても力を入れていきたい考えを示した。林信義氏はほかに、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)の加盟に台湾が強い意欲を持っていることを伝えたほか、台湾が推進するソーシャル・レジリエンス強化の計画についても紹介した。双方は、防災や災害救助などの分野で交流を深めるほか、この分野で意見交換や相互学習を継続することで一致した。
石破首相は、台湾海峡の平和と安定を重視するという日本政府の立場を重ねて強調したほか、自然災害が発生するたびに助け合う台湾と日本の友情を称えた。また、台湾が世界保健機関(WHO)、国際民間航空機関(ICAO)などの国際組織に加盟することを引き続き支持し、各分野で台湾との連携を深めていきたいとの考えを示した。
これに対して林信義氏も、日本政府が国際社会に対して台湾海峡の平和と安定の重要性を訴えていることに感謝し、台湾と日本が半導体やAIなどの分野でこれからも協力関係を強めていけるよう期待を寄せた。
Taiwan Today:2024年11月18日
写真提供:総統府
ペルーの首都リマで開催されていたAPEC首脳会議が16日に閉幕した。頼清徳総統の代理として同会議に出席した総統府資政(顧問に相当)、台杉投資管理顧問公司(タイワニアキャピタル)董事長の林信義氏は同日午後、リマで記者会見を開催し、今回のAPEC首脳会議参加の詳細や成果について説明するとともに記者からの質問に答えた。