COP29で台湾は国交樹立国とサテライト会議を開催、環境部「戦情中心」も随時情報を収集
国連気候変動枠組条約(UNFCCC)第29回締約国会議(COP29)が11日、アゼルバイジャンのバクーで始まった。台湾はUNFCCCの締約国ではないため、締約国会議(COP)に参加することができない。しかし、前例にならい複数の組織がNGO(非政府組織)としてオブザーバー参加しているほか、今年は環境部がCOP29戦情中心(シチュエーションセンター、危機管理センター)を開設。COP29の会議全体の情報と進展について随時情報を収集している。12日には台湾の工業技術研究院(ITRI)が、中華民国(台湾)と正式な外交関係を持つマーシャル諸島とともに、COP29会議場内ブルー・ゾーンで「化石燃料からの脱却:ネットゼロに向けた技術と市場ベースの手段」をテーマとするサテライト会議を開催した。この会議はCOP公式協力メディアであるIISD(International Institute for Sustainable Development)の取材を受けた(報道はこちらを参照のこと:https://enb.iisd.org/accelerating-2050-net-zero-implementation-cop29)。
環境部によると、UNFCCCに公式登録されている台湾のNGOは11ある。今年はこれらのNGOが2週間のCOP29開催期間中、会議場ブルー・ゾーン内でサテライト会議、ブース展示、関連のフォーラムなどのサブイベントを7つ開催することになっている。11日にはまず、外交部所管の外郭団体である財団法人国際合作発展基金会(略称は国合会、ICDF)と財団法人台湾産業服務基金会が、中華民国台湾と正式な外交関係をもつパラオ共和国との共催で「科学と自然の調査:強靭な未来に向けた革新的適応戦略」と題するサテライト会議を開催。12日には工業技術研究院(ITRI)とマーシャル諸島が共催するサテライト会議も行われた。
環境部によると、環境部内に設置されたCOP29戦情中心では、今年のCOP29の各セッションの状況を随時把握し、国内の関連部門と情報共有を行っている。13日午後2時からはCOP29戦情中心とアゼルバイジャン・バクーをオンラインでつなぎ、NGOとしてCOP29にオブザーバー参加する工業技術研究院(ITRI)の関係者が、COP29のサテライト会議やCOP29の最新の進展などについて状況を説明した。戦情中心はCOP29で12日から始まった世界リーダーズ気候行動サミットの状況や、温室効果ガスの排出削減に向けたアプローチを規定するパリ協定第6条をめぐる各国代表の議論について情報を収集し、台湾のメディアに共有するなどしている。
環境部はさらに、国内でもCOP29への関心を高めるため、今月15日より台湾で気候アクションへの意識を高めることを目的とした一連のフォーラムを開催する。国内外の専門家がオンラインまたはオフラインで参加し、COP29の重要な議題にフォーカスを当てて議論する。これらは公式サイト(https://www.taiwancopforum.org/)でもライブ配信を行う。
Taiwan Today:2024年11月14日
写真提供:環境部
国連気候変動枠組条約(UNFCCC)第29回締約国会議(COP29)が11日、アゼルバイジャンのバクーで始まった。台湾はUNFCCCの締約国ではないため、締約国会議(COP)に参加することができない。しかし、前例にならい複数の組織がNGO(非政府組織)としてオブザーバー参加している。写真は12日に工業技術研究院(ITRI)とマーシャル諸島が共催したサテライト会議の様子。